700年の時を経て蘇る。幕末の志士が愛す"楠木正成"の写真展開催
こんにちは、山岳写真家の廣田勇介です。
おかげさまで、写真展・嗚呼版太平記が開催され、
山奥にも関わらず(会場には失礼ですが)多くの方々にご来場頂いております。
クラウドファンディングなどを通じて、
ご支援頂きました皆さまに改めて感謝を申し上げます。
ありがとうございました。
さて、遠方にてお越し頂けない皆さまのために、
少しづつ展示内容をご紹介いたしますね。
まずはさきほどのこちらの写真
タイトル「往還」
サイズ B0(1.45 x 1m)
額装(浮かし)
大きいです。部屋を三つぶちぬいて30畳の広間が一つの作品で
保たれています。
『太平記』において、正成公は自決の際、弟の正季公とともに、
「七生までただ同じ人間に生まれて、朝敵を滅ぼさばやとこそ、
存じ候へ」
という有名な「七生滅賊」という言葉を残しています。
ここのところを、訳しますと、
正成「弟よ。人間は死ぬ時の最後の瞬間で、死後の往き先が決まるって話だ。お前はどこを九界(の往き先)をお望みかな?」
正季(わっはっはっと爽やかに大笑いしながら)
「そうだな兄者。俺は天国なんて望まんな。
七回人間に生まれ変わってでも、何度でもアイツらを懲らしめてやろうじゃないか」
正成(それを楽しそうに聞きながら)
「それはひでぇ考え方だ。お前は本当に救いようがねい。
でもな、かくいう、わしも同じなんさ。
今回(の生)はやりきった。もうよかろう。
お次はあの世にいって、もう一仕事しようじゃねいか」
といって短刀で刺し違えて、ともにバタリと床に伏したのでした。
で、このは写真作品は、あの世にいらっしゃる時の楠公の
お姿をイメージしています。「亡霊」となっても、
守るべきものを守る「忠義の鬼」のお姿です。
タイトルの往還は、
この世にもあの世にも執着せず、彼岸と現世を自在に行き来する、
楠公の魂をイメージし「往還」と名付けました。
昔からの街道のことを「~往還」といいますが、
響きが好きなのですね。
楠公は、タイムスリップのように、
あの世とこの世を往還する壮大な旅人です。
クラウドファンディング、楠公の御命日今月25日まで
続いております。
皆さまの温かいご支援を引き続き、よろしくお願い申し上げます。
ありがとうございます。
廣田勇介